気休めの音楽を流す

ふたりに夢を見つついまさらどんどん沼に沈む

「危険な関係」

吉田拓郎さんの作ったキンキの「危険な関係」が、また衝撃的だった。

ファンになりはじめの頃は衝撃だらけで、最近やっとそのショックに慣れてきたな~と思ってたけど、全然、まだまだ、奥が深かった、ごめんなさい…(白旗)。

何が衝撃的だったかっていうと、キンキの関係性のことをぼんやりと解釈した歌だってことと、拓郎さんがこの歌を作ってキンキに歌わせてるってことだ。

危険な関係」という曲ができたのは、十代のキンキを見守ってきた拓郎さんが、二人が全く違う方向を向いていて、本当に仲が良いの?って口を挟みたくなるような”危うい関係”に見えたから、らしい(拓郎さん談)。

でも、ここでいう”危うさ”っていうのは、キンキが単にバラバラになりそうな危うさを持ってるってだけじゃなくて、ともすれば恋人のように親しい関係になりそうな危うさも同時に持ちあわせてる、っていう対極的な危うさのことも実は拓郎さんは頭に浮かべていると思う。そうじゃなかったら、「これは男と女の曲じゃない」ってキンキに直接手紙で念押ししないし、「危険な関係」ってタイトルもつけないと思う。「しばり合うよりも ゆるやかでいい」って歌詞も出てこないと思うな…。

この曲について拓郎さんが寄せたコメントでも、「KinKi Kidsにはずっと危ない空気が流れているような、あの危なさが僕には魅力でもあった。その思いは今も変わらない。」とあって、光一くんは”危ない空気が流れていると”って笑って、剛くんは”客観的にそれもKinKi Kidsの楽しみ方の一つなんじゃないかな”と意見を言っていて、なんかもう、剛くんがド正論すぎて胸がすくような思い。その関係があまりにドラマチックすぎるように見えると、本人たちが答えを出そうとしてなくても、周りの人が正解を出そうといろいろ夢見ちゃうんだよね。実際、私はそうやって夢見てるのがホント好きです!(キンキが二次元っぽいのは、こういう夢がいっぱい見られるところにあるのかも…とかふと思ったりした。)そういう”楽しみ方”があると剛くんが捉えてるのは、ありがたいような切ないような気もするけど。

でも、ファンだったらそんな風に夢見て楽しむだけで終わるけど、拓郎さんは「あれが魅力だ」って夢に見てるモヤモヤ(この場合、危うい関係という解釈)を歌にして、キンキのふたりに歌わせることができるんだぜ…。震える。そういう経緯もあるこの曲は、意外にキンキが歌って輝く曲じゃないような気がする。歴史小説の主人公がその歴史小説を読むみたいな違和感がある。やっぱり、ここは意地でも拓郎さんの曲、になるんだろうなあ。